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2025.10.19

韓国語「기르다」と「키우다」:意味と使い分け、例文集

韓国語「기르다」と「키우다」:意味と使い分け、例文集

 

韓国語で「育てる」という意味を持つ代表的な動詞に、「기르다(キルダ)」と「키우다(キウダ)」があります。日本語訳は同じになることが多いため混同しやすいですが、それぞれが持つニアンスと、使用できる対象の範囲に決定的な違いがあります。

この二つの動詞の使い分けを理解することで、より自然で適切な韓国語表現が可能になります。

【1】「成長を見守り、身体の一部を伸ばす」を表す「기르다」

「기르다」は、主に時間をかけて世話をし、手間をかけて養育するというニュアンスが強い動詞です。また、「育てる」以外に**「(髪やひげなどを)伸ばす、生やす」**という意味合いで非常によく使われるのが特徴です。その語源は、動詞「자라다(育つ)」に対応する他動詞に近いニュアンスを持っています。

主な対象は人間(特に子や弟子)、ペット、そして身体の一部(髪、ひげ、爪など)に使われます。「養育する」「育成する」という、長期的な世話の側面に焦点があります。特に身体的な部位を意図的に伸ばす行為はこの動詞を使います。

【例文】

・아버지는 저를 혼자 힘으로 기르셨어요.
(父は私を一人で育てました。)
→ 人間を養育する行為。

・머리를 길게 기르고 싶어요.
(髪を長く伸ばしたいです。)
→ 身体の一部を伸ばす行為。「키우다」は不可。

・강아지 한 마리를 기르고 있어요.
(子犬を1匹飼って(育てて)います。)
→ ペットを世話して育てる行為。

【2】「サイズや規模を大きくする」を表す「키우다」

「키우다」は、「크다(大きい)」という形容詞に対応する他動詞(大きくする)です。そのため、サイズ、規模、程度、能力などを物理的・抽象的に拡大するというニュアンスが強い動詞です。

「기르다」と比べて対象が非常に幅広く、「大きく成長させる」という結果に焦点があります。その語源は形容詞「크다(大きい)」を他動詞化したもので、**「大きくする」**が基本です。

対象は人間、動物、植物(木や野菜)、抽象的な概念(夢、希望、能力)、規模(会社、家、声)など、非常に広範囲に使われます。規模の拡大や、能力の増強といった、サイズや程度に関する成長を強調します。

【例文】

・아이의 창의력을 키우는 것이 중요해요.
(子供の創造力を**育てる(大きくする)**ことが重要です。)
→ 抽象的な能力を向上させる行為。

・사업 규모를 더 키우고 싶어요.
(事業の規模をさらに大きくしたいです。)
→ 規模を拡大する行為。「기르다」は不可。

・엄마가 화분에 꽃을 키우고 있어요.
(母が植木鉢で花を育てています。)
→ 植物の成長。

・큰 목소리로 말해주세요.
(大きな声で話してください。)
→ 声のサイズを大きくする行為。

【3】決定的な使い分けのポイント:成長の焦点と対象

「기르다」と「키우다」の最も明確な使い分けは、「伸ばす/養育」に焦点を当てるか、「大きくする/規模拡大」に焦点を当てるかという点です。

「기르다」は、養育や長期的な世話、または身体の一部を伸ばすことに焦点を当てます。(例:髪を伸ばす、ペットを養育する)。

一方、「키우다」は、サイズ、能力、規模を大きくすることに焦点を当て、対象は物理的なものから抽象的なものまで幅広いのが特徴です。(例:会社を大きくする、能力を育む、声量を上げる)。

多くの場合、人間やペットの「養育」に関しては両方使えますが、「기르다」はより**「愛情を込めて世話をする」ニュアンスを含み、「키우다」は「サイズや能力を成長させる」**という客観的な結果に焦点を当てる傾向があります。

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